[2000.01.08]
  エビアンとジーンズと


 ▼「暫定」がとれるアップルのジョブズCEO(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/3540.html


 今のアップルに,必要であるものをまぶたの裏に思い描く。…エビアンのペットボトルと,ブルージーンズと。その風景こそが,今のアップルに望まれる,すべて。

 サンフランシスコでのマックワールド・エキスポの基調講演演説で,アップル社暫定CEOのスティーブ・ジョブズは,暫定の文字を取り,正式なCEOに就任したことを発表した。発表がなされたとき,マックファンの聴衆からは喝采が起こり,洞穴のように巨大な会場を満たした。

 よくよく考えてみる。アップルのすべてを理解しようとすると,それはジョブズのすべてを理解しようとすることと同義なのだ。それはジョブズがアップルに居なかった85年9月から97年9月の間の時代も,そうだった。その10年の間,「すべて」である人物がいないのに,成長しようというのが間違いだった。その垢が取り払われるかのような"i"CEOとしての2年あまりが消化され,本来あるべき姿に,アップルは戻った。そう,これは「戻った」に過ぎないのだ。エビアンのペットボトル,ブルージーンズ,黒のタートルネックが,そこにいる風景は,アップルの日常,でなくっちゃいけない。

 彼を褒め称える言葉も,また非難する言葉も,すでに語り尽くされている。だが,もうひとつだけ。彼は,一度もマイクロソフトに「勝つ」ための戦略をとらなかった。勝つためにはビジネス部門での成長を遂げなければいけないとか,包括的なソフトウェアを提供しなければいけないとか,そんな言葉を彼は一度も実行しなかった。ただ,創造的であり,センシティブであり,新しい時代を構築するにたる,完璧な製品を作っているだけだった。「勝つ」のではなく,それが一番大事だということを思い出させてくれた彼に,「お帰りなさい,そして,これからも…」。


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